2013年2月4日月曜日

竹内 はじめに


   はじめに

 杉原隆氏は、昨年、本誌第83号に「浅井村士族大屋兼
助外一名の「松島開拓願」について」を発表し、そこで
明治一〇年の「太政官指令」にある「竹島外一島」の解
釈について、右の「松島開拓願」を援用した新しい解釈
を提示された。
 その後、この論文の成果に基づいて島根県の「竹島問
題を考える講座」(第3回・昨年一二月一二日)で講演
し、講演要旨を今春発行の島根県竹島問題研究会『第2
期「竹島問題に関する調査研究」中間報告書』に「研究
レポート(1)明治期における竹島問題・明治10年太政
官指令-竹島外一島之儀八本邦関係無之-をめぐる諸問
題」(以下「杉原レポート」と呼ぶ)として発表された。

 また塚本孝「竹島領有権問題の経緯・第3版」には、
杉原氏の新解釈が、日本の中央では「竹島、松島ともに
欝陵島のことであるとの認識が行われた可能性もある」
ことを示唆したものとして注記されている(国立国会図
書館『調査と情報』(No7012011.2.22 注18)。

 本稿は、主として杉原氏の最新の論文である杉原レ
ポートに拠りながら、同氏の新解釈を批判的に検討した
ものである。

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